NordVPN レビュー:エンジニアが半年使った正直な評価
NordVPNを半年間メインVPNとして使用。NordLynx・Threat Protection・Meshnetの実力とLinux CLI体験をレビュー。
NordVPN
Pros
- + NordLynx の速度が安定して速い
- + Threat Protection が VPN 以外でも価値あり
- + Meshnet でリモート開発マシンに安全接続
- + Linux CLI が最も充実している
- + 7,400+ サーバーで選択肢が豊富
Cons
- - 月額 $3.39 は最安ではない(Surfshark の方が安い)
- - 同時接続 10台は家族利用だとギリギリ
- - Threat Protection の Plus プランは別料金
- - 一部の特殊サーバー(Double VPN等)は速度が落ちる
TL;DR(結論)
- NordVPN は「VPN + セキュリティツール」としてのトータルパッケージが優秀
- エンジニア的には Linux CLI の完成度と Meshnet が差別化ポイント
- Surfshark($1.99/mo)より月 $1.40 高いが、その差は Threat Protection と Meshnet で十分ペイする
- 迷ったら NordVPN を選んでおけば間違いない
半年使った環境
- OS: macOS(メイン)、Ubuntu 22.04(開発サーバー)、iOS
- 用途: カフェでのリモートワーク、海外出張時のセキュリティ、開発サーバーへのリモートアクセス
- プラン: Complete($4.99/mo、2年契約)
- 以前のVPN: ExpressVPN → NordVPN に乗り換え
NordLynx:速度は期待通り
NordLynx(WireGuard ベース)の速度は安定して速い。自宅の1Gbps回線で測定:
- VPN なし: 下り 940Mbps / 上り 890Mbps
- NordVPN(東京サーバー): 下り 850Mbps / 上り 810Mbps
- NordVPN(US West): 下り 680Mbps / 上り 520Mbps
東京サーバーならほぼ速度低下なし。海外サーバーでも日常利用には十分な速度。以前使っていた ExpressVPN(Lightway)と体感はほぼ同等。
接続にかかる時間は約1〜2秒。再接続(WiFi切替時)は3〜5秒程度。ExpressVPN の Lightway の方が再接続はわずかに速かったが、大きな差ではない。
Threat Protection:VPN を超えた価値
Threat Protection は NordVPN の隠れたキラー機能だと思う。
- 広告ブロック: ブラウザ拡張不要でネットワークレベルの広告ブロック
- マルウェア防止: ダウンロードファイルのスキャン
- トラッキング防止: サードパーティCookieのブロック
- 悪意あるサイトのブロック: フィッシングサイトへのアクセスを遮断
重要なのは、VPN に接続していなくても動作する点。普段 VPN を使わないオフィス環境でもセキュリティレイヤーとして機能する。
ただし、フル機能の Threat Protection は Complete プラン($4.99/mo)以上が必要。Standard プラン($3.39/mo)では一部制限がある。
Meshnet:エンジニアの秘密兵器
Meshnet は NordVPN のデバイス同士をP2Pで直接接続する機能。これがエンジニア的には一番刺さった。
使い方の例
# 自宅の開発マシンに Meshnet でリモート接続
nordvpn meshnet peer list
# → 自宅マシンの Meshnet アドレスを確認
# SSH 接続(VPN サーバーを経由しない直接接続)
ssh [email protected]
自宅の開発マシンに外出先からSSH接続する場合、通常は:
- VPN → 自宅ルーター → ポートフォワーディング → マシン
- ngrok や Tailscale のようなトンネルサービスを使う
Meshnet なら NordVPN アカウントを持つデバイス同士が直接つながるので、余計な設定が不要。Tailscale の NordVPN 版と考えると分かりやすい。
10台までのデバイスと60台までの外部ピアが接続可能。
Linux CLI の完成度
NordVPN の Linux CLI は VPN サービスの中で最も充実している。
# 基本操作
nordvpn connect # 最速サーバーに自動接続
nordvpn connect jp # 日本サーバーに接続
nordvpn connect "Japan #521" # 特定サーバーに接続
nordvpn disconnect # 切断
# 設定変更
nordvpn set technology nordlynx # NordLynx に切替
nordvpn set killswitch on # Kill Switch 有効化
nordvpn set autoconnect on # 起動時自動接続
nordvpn set dns 1.1.1.1 # カスタム DNS 設定
# 状態確認
nordvpn status # 接続状態
nordvpn settings # 全設定一覧
nordvpn countries # 利用可能な国一覧
GUI を使わずに全機能をCLIで操作できる。systemd との統合もスムーズで、サーバー上での運用にも向いている。
料金プラン
| プラン | 2年契約 | 含まれる機能 |
|---|---|---|
| Standard | $3.39/mo | VPN、Threat Protection(簡易版) |
| Plus | $4.39/mo | + Threat Protection フル版、パスワードマネージャー |
| Complete | $4.99/mo | + 1TB クラウドストレージ、データ漏洩スキャナー |
| Prime | $6.49/mo | + eSIM、飛行機遅延保険 |
個人的には Plus プラン ($4.39/mo) が最もコスパが良いと思う。Threat Protection のフル版は $1/mo の差で手に入る価値がある。
気になった点
同時接続 10台の壁
自分の PC + スマホ + タブレット + 開発サーバー + ルーターで5台。家族のスマホを入れると8〜9台。10台の上限はギリギリ。Surfshark の無制限接続がうらやましくなる瞬間はある。
特殊サーバーの速度低下
Double VPN(二重暗号化)や Onion over VPN を使うと、速度が大幅に低下する。セキュリティと速度のトレードオフなので仕方ないが、常用には向かない。
2年契約の縛り
最安の $3.39/mo は2年契約が前提。月払いだと $12.99 と4倍近い。30日返金保証はあるが、2年分を一括で支払う必要がある。
総評
NordVPN は VPN としての基本品質が高いだけでなく、Threat Protection と Meshnet という独自の価値を提供している。特に Meshnet はエンジニアにとって「NordVPN を選ぶ理由」になりうる機能。
$3.39/mo は Surfshark($1.99/mo)より高いが、その差額分の価値は十分にある。VPN 選びで迷ったら、まず NordVPN の30日返金保証で試してみるのが良いと思う。
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(料金情報は2026年3月時点)